HubSpotとSalesforce間のデータ同期は、マーケティングと営業の連携を強化し、業務プロセスを最適化する上で重要です。本記事では、データ同期の必要性、主な方法、設定時の留意点、メリットの要点を解説します。
データ同期の必要性
メールマーケティング等のオートメーションやサイト上のトラッキング・CTAツールなどHubSpotにはさまざまな機能が提供されています。
HubSpot単体で運用している企業様は問題ありませんが、プロスペクト・カスタマーデータはSalesforce上でまとめて管理している。そんなケースも多いかと思います。そのときにデータ同期を検討してみてください。
データ同期方法
HubSpotとSalesforce間の主な連携方法として以下があります。
- HubSpot-Salesforce間のデータ連携: HubSpot公式の同期アプリが提供されていて、基本的なデータ連携はこれで容易に設定可能です。
- HubSpotの特長でもある使いやすいUIで、Salesforceとの連携についても同様です。
- HubSpotプランにもよりますが、Lead、Contact、Account、Campaginの同期が可能です。カスタムオブジェクトに関しては、Enterpriseプランの契約が必要(※ 2025年5月時点の情報)。
同期設定における留意点
効果的な同期のためには、以下の準備と設定が重要です。
- データ整理: 同期前のデータクレンジングをおこなっておいてください。
- マスターデータ定義: どちらの情報を正とするかの決定。
- フィールドマッピング: 項目間の正確な対応付け(データ型・選択リストの整合性確認)。
- 同期方向の選択: 業務プロセスに合わせた方向(双方向/片方向)の決定。
- テスト実施: 本番適用前のテスト環境での十分な検証。
- エラー対応計画: エラー発生時の通知・対応手順の策定。
実際に運用してみて感じること
こまかな点でGUIからは制御できない制限事項がある。
- インクルージョンリストの対象は同期機能を使ったもののみが対象で、インポートした場合はインクルージョンリストを無視してSalesforce側のデータを更新しようとする。
- Salesforce側で「isDeleted」になっているデータの扱いに注意する必要がある。
- 自動マッピングを使うと、Salesforce Informationグループのプロパティが大量作成されてしますので、同期させたいデータはSalesforce側でアクセス権限を最小限にし、HubSpot側のマッピングは手動で行うようにする。
- データ同期のキーはメールアドレスとなるので、Salesforce側でメールアドレスがユニークになっていない場合はレコード単位にアクセス制限を条件づけできる「共有ルール」を活用するなどの工夫が必要になる。
- こまかな同期条件指定ができないので、どうしてもこまかな条件指定をしつつ同期をさせたい場合は、Salesforce側よりApexスケジューラー、Apex処理クラスなどを使ってSalesforce側からHubSpot API経由で同期する仕組みを作ることになる。
企業の状況に合わせた最適なデータ同期戦略の立案から、具体的な設定・運用支援まで、専門的なサポートを提供しております。HubSpotのみならず、SalesforceとAccount Engagement・b→dashやスクラッチシステムなどデータ連携の悩みはお気軽にご相談ください。